完全定本 暦大全 山道帰一

「擇日（たくじつ）」とは、古代中国で重視された「時間」が人に与える影響と、それがどのように形成されるかを考究する学問であり「吉日良辰」(めでたい日)を選び、「趨吉避凶」(凶を避け続けて吉に赴くこと)を行う文化である。
吉凶を説く「暦注」として馴染まれてきた擇日（たくじつ）法に「叢辰（そうしん）法」がある。

風水(空間)だけ見て擇日(時間)を見ないのは不十分であり、その風水鑑定の判断もまた時間の経過とともに異なるものになると理解することが重要である。

古代中国で最も発達した自然科学の一つは「天文学」であり、天文学は「占星術」の色彩が濃い。
古代中国の『天官書』あるいは『天文志』とは、実際には「占星術」の書である。
「占星術」は「天、象を垂れ、吉凶を見す」を仮設し、星象の活動、変化である「天文異象」を観察し、人事の吉凶の変化を予測した。
「擇日」文化は、古人の生活においてきわめて重要な地位を占有し、その影響力は非常に普遍的である。